H29年都立高校入試【理科】の傾向を分析。
理科は正確な理解が求められる入試になっている。特に今年は「思い込み」による間違いを誘発する問題が多く見られた。だからこそ、曖昧な知識では通用せず、深い読解や論理的思考が大切になってくる。そのため、丸暗記ではなく、「理解」や「考察力」を意識した学習を進めていきたい。
【大問1 全範囲/小問集合】配点:大問28点
〈傾向〉「状態変化」や「月の観測」などの問題が出題。理解度が求められ、正確に理解していなければ正答できない問題であった。
【大問2 全範囲/レポート問題/小問集合】配点:大問16点
〈傾向〉体積500㎤で、水に入れると沈み、海水に入れると浮く物体の質量を選択肢の中から選ぶ問題が出題。他には光の屈折に関する問題で、水中にいる魚は観察者から見て、どの位置にいるように見えるか?という問題が出題された。
【大問3 地学分野(天気)から出題】配点:12点
〈傾向〉大問1,2に比べ、ひっかけ問題もなく、全問正解できるレベル。逆にここで失点してしまうと戦略が立てづらいので、天気が苦手な子は早めに克服していきたい。
【大問4 生物分野(人体(消化))から出題】配点:16点
《傾向》今までにない仮説を立てる問題が出題。「〇〇という結果になるためには、△△にならないはずだ」というような論理的思考力が必要であり、知識だけでは解けない特色が色濃く出ていた。
【大問5 化学分野(物質の性質・化学変化・酸化と還元)から出題】配点:12点
《傾向》化学反応式の中でも、間違える人が多い酸化銀の分解(2Ag²o→4Ag+O²)が出題された。他には記述問題も出題され、「還元の際に、酸化が同時に行われていること」を書かされた。数年前と比較して記述の問題数が減ったが、選択肢の難易度が上がった。
【大問6 物理分野(運動・エネルギー)から出題】配点:16点
《傾向》ガリレオがピサの斜塔から、重さの違う2つの球を落とした実験と同様な問題が出題。ただ知らなくても資料を読み取れれば正解できる。物理分野においても教科書などに書いてある実験なども積極的に取り組んでいくことが大切になる。