2017年の全国高校入試国語を分析。他教科と比較して、入試の出題内容の変化に乏しい科目が国語だが、大学入試改革の影響が徐々に出始めている。特に、2015年度以降に入試制度や出題内容を変えた県では、記述問題を増やしたり、図版や表の読み取りをさせたりといった変化が見られている。2020年の大学入試改革へ向けて、「表現力」の根幹となる国語の入試は、今後大きく変化していくことが予想される。出題形式の変化を見据えた入試対策が重要となってくる。
《今年の入試の特徴》
全国的には会話形式の出題が増加傾向にある。読解は今年も哲学や科学をテーマにした文章が多かった。
《難易度(昨年と比較)》
特に大きな変化はなかった。
《その他注目したい点》
作文では「煮詰まる」や「失笑」などの、言葉の意味の据え方を題材にしたものが目立った。
①細かい読み取りよりも、内容把握を重視か?要約メモの出題は年々増加している。
3年ほど前から、表の形式で全体を把握させる問題が見られるようになってきた。また2021年度からの中学生の学習指導要領では「説明的な文章については、適宜、図表や写真などを含むものを取り上げること。」という文言もあり、来年度以降にはさらに図版や表の読み取りを要する問題が増えるということが考えられる。