2017年の全国公立高校入試問題を分析。各県特有の出題傾向を踏襲している県が多く、数学・英語の難化は押さえられ、5教科全体としては易化した県も多数見受けられた。
~大学入試改革を見据えた入試変化~
全国的にも大きな入試変化はあまりなかった。
しかし、ここ数年で、大学入試改革を見据えて「思考力・判断力・表現力」を意識した新しい切り口の問題が目立ち始めた。
2017年度の入試で変化が顕著に出たのが、社会に多く見られた「記述問題の質的変化」と21県の理科で採用された「選択肢の中から正しいものをすべて選ぶ。」解答形式だ。
どちらも解答が一つではないということが共通点で、大学入試改革に直結している。
特に資料やグラフから情報を読み取って論理的に表現するという記述問題は、数多くの県で出題されている。
~「知識・技能」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」の攻略も重要になる~
入試問題は、計算・漢字の読み書きなどの基本的知識の習得を評価する「知識・技能」と、「思考力・判断力・表現力」を評価する「21世紀型の問題」に二極分化していく可能性が高い。
またここ数年は、この二極分化した問題間の難易度や正答率が著しく異なる。
易しく得点源にしやすい「知識・技能」型の問題と、これまでの対策では困難な「思考力・判断力・表現力」型の問題のいずれにも対応していくことが、今後の合格戦略の大きなポイントとなってくる。
夏は入試対策に十分取り組める時間が確保できるからこそ、しっかり情報を得て受験対策に取り組んでいってもらいたい。