~全国の高校入試正答率を分析する【数学】~ 

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今回は全国高校入試数学正答率から入試数学についてポイントをまとめる。

①関数は例年「変化の割合」「変域」に低正答率問題が集中。
⇒毎年、苦手な生徒が多いのが関数の問題。実際、正答率の平均は60%前後となっている。特にずば抜けて正答率が低いのが「変化の割合」と「変域」だ。入試問題では原理・原則の理解が求められてくるので、「グラフが何を意味しているか。」など理解していくことが大切になってくる。東京でも大問3で関数は毎年出題される。
②なんとなくに注意。数学基本用語も油断はできない。
⇒数学は問題を多く解くことに重視されるが、極めて簡単な問題でも、言葉の意味を正確に理解していないために正解できないケースが増えつつある。指導要領に「基礎的な概念や原理・原則についての理解を深め」とあるように、解法の丸暗記だけでなく、「理解する」ということに重点を置いた学習が必要になる。
③どの県でも低正答率の相対度数。原因はわり算か?
⇒中央値や最頻値を求める問題は正答率が上昇してきたが、依然として低いのが「相対度数」だ。原因の一つとしては小学校での「割合」の考え方が理解できていない可能性が高い。資料の傾向を読み取る力は、指導要領でも、2020年からの大学入試でも重要視されている。用語の意味や考え方をしっかり定着しておきたい。東京では大問1で出題される。
④円柱・円錐・おうぎ形などの円が絡む問題は低正答率が続出。
⇒「円やおうぎ形」は実は小学生での学習内容。中1でも「円錐の体積・表面積」のところで触れるが、半分以上の生徒がよく理解していないまま入試を迎えてしまう傾向になっている。「図形」が苦手な方は、公式の意味を理解し、基本問題が解けることが最優先となってくる。都立では大問4で平面図形,大問5で空間図形が出題される。
⑤上位校を志望する方は「複合単元融合問題」を得点にする。
⇒例えば全国的には「確率+図形」のパターンが多く出題されている。このような複合単元融合問題を解くことが上位校を狙う上で重要になってくる。上位校を志望する方は他県の思考力系問題に積極的にチャレンジし、問題形式に慣れていくことが大切になる。東京でも関数,図形で出題されている。
⑥問題文の長文化傾向。「何を表わしているか」を重視した学習を。
⇒2020年から大学入試が大きく変更するため、問題文の長文化が起きている。解答はシンプルだが、「必要な情報を選びだして考える問題」が増加している。このように、解法の丸暗記では対応できない問題の対策をするためには、「グラフが何を表わしているのか」や「何をするために立式するのか」など、原理原則を意識して「式やグラフ」の意味などを理解していくことが大切になってくる。東京でも大問2でこのような傾向の問題が出題されている。

入試問題はただ公式にあてはめてを解いていくというような問題ではない。

「問題から何が問われているのか。」という問題作成者の意図を汲み取り、何の公式を使い、どのように解くのか見つけ出していかなければならない。

答えが出せさせすれば良いという解き方ではなく、本質を考えた学習を進めていってほしい。

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